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最期まで

グッドスマイルの星野です。

今回は僕が福祉の仕事をしてきた中で思い出のある出来事の話を。


当時僕はサービス付き高齢者向け住宅で勤めていました。

男性の入居者がいらっしゃり、その方は元々佐渡にお住まいでしたが、

ご家族が施設の近くに住んでられてたのと同時に、

佐渡での一人暮らしが難しくなった為当施設へ入居することとなりました。

大変温厚で寡黙な方でした。(男らしく、かっこいい方でした。)


入居して数日が経ち、ようやく僕とも打ち解けてきた頃、

僕に佐渡に住んでいた頃の話をしてくださいました。

佐渡では一人で畑等の農作業をされていたそうです。


ちょうど施設の敷地内で畑をしていたので、

一緒に管理してもらえないか相談しました。

するとすぐに家族に「佐渡に畑の本があるから取ってきてくれ」と連絡されたようで、

ご家族が「なんかいきなり連絡が来てさ!笑」と僕に畑の教本をくださいました。

ご本人にお礼を言いに行くと、早速「畑に行こう。」と言われました。

年齢が90代後半という事もあり、なかなか歩く事が難しく、

普段は部屋で過ごす事が大半でしたが、車椅子に乗って、一緒に畑に向かいました。


先ずは土を耕す作業から。

最初は車椅子に乗りながら、僕にやり方を教えてくれていましたが、

居た堪れなくなったのか、側にあった支柱を杖にして畑まで歩いて来られました!笑




直接指導を受けながら、しばらく二人で畑作業に没頭しました。

そのおかげもあり、その年から植えた野菜が豊作でした!

収穫した野菜は施設の食事でも提供し、大好評でした!

それを伝えると嬉しそうな顔をされていたのが、今でも目に浮かびます。


その方は体が弱ってきてからも、最期まで畑を心配し、

施設内でご家族に見守られながら息を引き取りました。

僕も最期のお顔を拝見しましたが、本当に良い顔をされていました。


二人で行った畑仕事の時間は

僕の福祉をしてきた中でも、かけがえのない時間となりました。





ヘルパーステーション

グッドスマイル

星野文平

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